ジョンウン ジュン・リム(林廷恩)
ジャパン・デジタル・フェロー
ジョンウン ジュン・リム(林廷恩)は、ジャパン・デジタル・フェローとしてライシャワー研究所に所属。2021年、トロント大学図書館情報学科にてヒューマンセンタード・データサイエンスを専攻し、修士号取得。高麗大学メディア学部・歴史学部を卒業、早稲田大学交換留学プログラム参加、渡米前は韓国で出版編集者および翻訳家として働いていた。
東アジアのメディア・文化・近現代社会におけるジェンダーをめぐる諸問題を、データサイエンスを用いて研究することに関心を持つ。修士論文『Gendered Voices in Japanese Popular Music: A Data-driven Analysis』では、自然言語処理や機械学習を利用し、1968年から2021年の間に日本でリリースされた18,000曲弱のポピュラー音楽の歌詞を分析。ボーカリストと作詞家の性別により、歌詞で使用される言葉の違いについて考察した。
トロント大学在学中には、デジタルプロジェクトアシスタントとして、学際的チームと共に、デジタルニュースの発信を追跡するアプリを開発し、引用関係の視覚化に関する研究を行った。さらに、ワードエンベディングやトピックモデリングなどのテキストマイニングのテクニックを用いたプロジェクトにも取り組んだ。Python、R、Java、C、C++、HTML、SQLなどの計算技術に加え、データ構造とアルゴリズム、アルゴリズムの設計と分析、コンピュータ組織、ネットワーク、離散構造、統計的手法、データの可視化についても訓練を受けている。
ライシャワー研究所では、新規および既存のプロジェクトのデジタル化に貢献するとともに、デジタルデータの収集と分析を必要とする日本研究を行う教員及び学生を積極的にサポートしていきたいと考えている。個人的には、植民地時代ならびに第二次世界大戦後に書かれた日本の文学や歴史文書の中に含まれる地理情報を分析することで、日本の外国に対する認識を明らかにするプロジェクトを新たに展開する予定である。さらに、ジェンダーの視点から日本のメディア及びカルチャーを分析し、日本の近代文学における世界認識を研究する新たなプロジェクトにも取り組む計画である。