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追悼:ロナルド・ドーア教授 (1925-2018)

英国の日本を専門とする社会学者、ロナルド・ドーア教授が逝去されました。ドーア教授の日本社会、文化、経済に関する研究は、戦後の社会変革に関する研究の礎を築き、後生の研究者に多大なる影響を与えました。長い研究生活の中で、ドーア教授は農地改革から都市生活、労使問題、教育関係(著書『江戸時代の教育』1995年)等、多岐にわたるテーマを探求されました。研究では、社会科学の厳密さと日本社会に対する深い知識をおりまぜ、徹底して実証的な方法をとりました。また日本語をネイティブ話者のように話し、日本語のみで行われる学会等も容易くこなしました。1987年にライシャワー研究所客員教授として在籍し、1988年~1989年にはエズラ・ヴォーゲル教授、スーザン・ファー教授との共同コースのためハーバード大学へ戻り教壇に立ちました。その後、1996年にハーバード大学ウェザーヘッド国際問題研究所日米関係プログラムのDistinguished Visitor Lectureで講演を行いました。
ドーア教授の功績は、日本研究の貴重な遺産であり今後もそうであり続けるでしょう。学者として、仲間として、指導者として多くのものを残してくださったドーア教授に深く敬意を表します。