ヘンシュ貴雄
分子細胞生物学教授
ボストン小児病院神経学教授
ハーバード大学脳科学センターおよび大学付属のボストン小児病院教授を兼任。ハーバード大学Dr. J Allan Hobsonのもとで学士号を取得後、東京大学(MPH)の伊藤正夫教授のもとで研究。その後フルブライト奨学金を得てマックス・プランク研究所にてDr. Wolf Singerのもとで脳研究に従事。カリフォルニア大学サンフランシスコ校にてDr. Michael Strykerと共に神経科学の研究を行い、1996年に博士号取得。その後、2006年に米国へ帰国するまで、神経回路開発室長として理化学研究所脳科学総合研究センター(理研BSI)の発足に関わり、グループディレクターを務める(現特別顧問)。
受賞歴はMortimer D. Sackler, M.D. Prize for Distinguished Achievement in Developmental Psychobiology(2016年)、日本神経科学学会奨励賞(塚原仲晃記念賞)(2001年)及び米国同賞(2005年)、文部科学大臣表彰 (2006年) 、NIH Director’s Pioneer Award(2007年)等、多数。現在ハーバード大学NIMH Silvio O. Conte Center for Basic Mental Health Research にてセンター局長、またニューロインテリジェンス国際研究機構(WPI)にて機構長を務める。さらに学術誌『Frontiers in Neural Circuits』の編集長、『Journal of Neuroscience』、『Journal of Neurodevelopmental Disorders』、『Neural Development』、『Neuroscience Research』、『Neuron』の編集委員。主に、発達脳における臨界期について研究。細胞及び分子生物学的手法を神経系に適用することにより、生育初期段階における知覚体験にへの形態的・機能的な神経回路の組み替えを司る中枢抑制回路を明らかにした。この研究は、脳の発達における基本的理解のみならず、高齢期の深刻な認知障害に対する治療のアプローチにも多大な影響を与えている。