ヴィクター・ソー
John L. Loeb社会科学准教授
技術・科学・産業史の専門家として、20世紀の中国と日本の中心にエネルギーと労働の歴史を研究する。科学技術の発展が経済や環境の変化といかに結びつき、産業社会の形成や変化に影響を与えてきたかを探ることに焦点を当てている。
著書『Carbon Technocracy: Energy Regimes in Modern East Asia』(シカゴ大学出版局、2022年)では、かつて東アジア最大とされた炭鉱の歴史の考察を通じて、エネルギー採掘と官僚的技術統治(テクノクラシー)の深い関係を研究している。本書は、中国と日本における化石燃料開発の起源を辿ると共に、石炭・石油へのエネルギー転換における国家の主導的役割と、当時の「Carbon Age」における人的労働力への依存について明らかにするもの。本書には数々の受賞歴があり、アジア学会(Association for Asian Studies)よりジョン・ホイットニー・ホール書籍賞、Chinese Historians in the United States Academic Excellence Award、米国外交史学会(Society for Historians of American Foreign Relations)よりマイケル・H・ハント国際史賞、米国芸術科学アカデミー(American Academy of Arts and Sciences)よりサートン賞(科学史部門)を受賞。また『Kirkus Reviews』の2022年ベストブックにも選出された。
現在は次の著書『The Human Factor: A History of Science, Work, and the Politics of Production(仮題)』の研究・執筆を進めている。本書では、1930年代から現代までの中国における産業心理学の歴史を通して、「労働」がいかに科学的な研究対象となり、労働科学が生産のポリティクスとどのように相互作用してきたのかを検討する。このプロジェクトのためにHarvard Extension Schoolで産業・組織心理学の修士号(ALM)も取得した。
ハーバード大学では、中国・東アジアにおける科学技術史や、工場の歴史や労働科学など、産業社会に関連する幅広いテーマで講義を行っている。また、中国、日本、韓国の科学技術史に関心を持つ大学院生や、他地域における技術・資本主義・環境の接点に関心を持つ学生の指導も行う。さらに、博士課程(歴史・東アジア言語学)常任委員会のメンバーも務めている。
ハーバード大学アジアセンターの支援を受けて、講義シリーズ「Technology in Asia」を主催しており、東アジア・南アジア・東南アジアを中心とした科学、技術、医療、環境分野の歴史・社会学における最先端の研究を紹介している
シンガポールに生まれ育ち、マギル大学で歴史・政治学の学士号を取得。ハーバード大学で歴史・東アジア言語学の博士号を取得した。2017年にハーバード大学の教員に就任する前は、コーネル大学で歴史学の助教授を務めていた。
X(旧Twitter)のアカウントは @EastAsiaSciTech 。